民衆から見た罪と罰 民間学としての刑事法学の試み 

村井敏邦
四六判並製 定価(本体2400円+税)
ISBN4-7634-0439-3 C0036 Y2400E

どうしてくりょう三分二朱
十両盗めば首が飛んだ江戸時代、人々は被害を「九両三分二朱」と届けることで、お上の苛斂誅求に抵抗した……。
なぜ馬泥棒で死刑なの? 罪と罰に関する古今東西の面白い読み物。

犯罪と刑罰の根底にある民衆の法意識の探求
古今東西の民衆に流布され、広く読まれた説話、芸能、文学のなかに、それぞれの時代と地域の民衆の犯罪観、刑罰観をさぐり、人権としての「罪と罰」のあり方を論じたユニークな試み。

目 次

はしがき──民間学としての刑事法学の試み

1 刑罰の変遷
第1話 知らされないはずの法度と知っているはずの法律
第2話 「おそろしや」鈴ヶ森──死刑の残虐性
第3話 「ミヽヲキリ」──脅しとしての身体刑
第4話 私刑のきわみ──拷問
第5話 拷問を実効的に禁止するには

2 流刑と自由刑
第6話 流刑と民衆
第7話 佐渡水替人足から人足寄場へ
第8話 鬼平と人足寄場
第9話 人足寄場から刑務所へ

3 犯罪と刑罰
第10話 犯罪と刑罰の関係
第11話 『罪と罰』をめぐって
第12話 窃盗に見る罪の歴史
第13話 盗賊の正義
第14話 「義賊とは言い条、所詮は盗人」か

4 権力と犯罪
第15話 政治と犯罪 
第16話 権力への反抗の罪
第17話 大逆事件

5 司法犯罪
第18話 冤罪の歴史
第19話 戦後日本の冤罪
第20話 司法犯罪としての冤罪

 エピローグ──犯罪と刑罰を見る視点

文献
あとがき


村井敏邦(むらい としくに)
1941(昭和16)年9月8日大阪市に生れる。
1964(昭和39)年3月、一橋大学商学部卒業後、法学部学士入学。1966(昭和41)年3月、一橋大学法学部卒業し、同年4月から1966年4月まで、司法修習生。1968(昭和44)年4月、一橋大学法学部助手、講師、助教授、教授を経て、2000(平成12)年3月末 同大学法学部を退職し、4月より、龍谷大学法学部教授となる。
2001(平成13)年11月より同大学矯正・保護研究センター長となり、現在に至る。

主な著書等
『公務執行妨害罪の研究』(成文堂、1984年)、『刑法──現代の「犯罪と刑罰」』(岩波書店、1990年)、『疑わしきは… ──ベルショー教授夫人殺人事件』(エレン・ゴドフリー著、村井のり子と共訳、日本評論社、1995年)、『刑事訴訟法』(日本評論社、1996年)、『罪と罰のクロスロード』(大蔵省印刷局、2000年)など