どうしてくりょう三分二朱
十両盗めば首が飛んだ江戸時代、人々は被害を「九両三分二朱」と届けることで、お上の苛斂誅求に抵抗した……。
なぜ馬泥棒で死刑なの? 罪と罰に関する古今東西の面白い読み物。
犯罪と刑罰の根底にある民衆の法意識の探求
古今東西の民衆に流布され、広く読まれた説話、芸能、文学のなかに、それぞれの時代と地域の民衆の犯罪観、刑罰観をさぐり、人権としての「罪と罰」のあり方を論じたユニークな試み。
目 次
はしがき──民間学としての刑事法学の試み
1 刑罰の変遷
第1話 知らされないはずの法度と知っているはずの法律
第2話 「おそろしや」鈴ヶ森──死刑の残虐性
第3話 「ミヽヲキリ」──脅しとしての身体刑
第4話 私刑のきわみ──拷問
第5話 拷問を実効的に禁止するには
2 流刑と自由刑
第6話 流刑と民衆
第7話 佐渡水替人足から人足寄場へ
第8話 鬼平と人足寄場
第9話 人足寄場から刑務所へ
3 犯罪と刑罰
第10話 犯罪と刑罰の関係
第11話 『罪と罰』をめぐって
第12話 窃盗に見る罪の歴史
第13話 盗賊の正義
第14話 「義賊とは言い条、所詮は盗人」か
4 権力と犯罪
第15話 政治と犯罪
第16話 権力への反抗の罪
第17話 大逆事件
5 司法犯罪
第18話 冤罪の歴史
第19話 戦後日本の冤罪
第20話 司法犯罪としての冤罪
エピローグ──犯罪と刑罰を見る視点
文献
あとがき
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